クラインの窓 取扱説明書

大学にいた頃、位相幾何学かなんかの講義で『クラインの壺』を知って中二病よろしくワクワクしたのをふと思い出した。

成績は良くなかったから詳細な説明はWikipedia先生に任せるとして、簡単に言うと『裏表、内外という概念のない立体』の俗称。

僕たちの次元では存在できない、そんな壺。



#ミクの日に手を繋ごう企画2021


今回有難いことにあごなすび先生まよりよ先生にお誘い頂いてこの企画に参加させてもらえることになったのだけど、テーマが『学校』だった。

卒業シーズンということもあって色々妄想が捗った。

学校という社会から隔離された一種特殊な空間で、将来のことを考えるととにかく毎日不安で孤独だった。多かれ少なかれみんな一緒なんだな、って気づけたのは大人になってから。

教室の窓から見える空はあんなに明瞭で、雲はホントにキレイに見えるのに。

窓ガラスには手が届くけどその透明で目に見えない、けれど絶対的なそれに遮られた手はいったい何を掴むんだろうね。

光が差し込むのも、風が流れ込んでくるのも、草木の匂いが香るのも、気が付くとみんな窓から。

過去と未来、希望と悩み、夢と現実。内と外、裏と表。

曖昧な存在同士が一緒くたに混ざりあって混沌と漂う学校。

とか思う反面、本当は窓なんて無いのかもしれないな。自分の心次第なんだ。

だからクラインの窓。


こんな風なことを考えて書いた曲なんだけど、相変わらずわかりにくい詞になってしまった(反省はしていない)。

直接的な表現があんまり好きじゃないのもあるし、よく読んでくれた人、よく聴きこんでくれた人だけに伝わればイイや。つーかそもそも伝わらなくてもイイや、ってなっちゃう。

メタファーを仕込むのが好きなクセは、学生時代と何ら変わってない。やっぱり過去と未来の境い目なんて無いんだな。

ちなみに毎度の事なんだけど実は、ミクとそれを取り巻く環境が裏テーマとして混ぜ込んでたりする。

昨年発表になった初音ミクNT。現行のミクは今、過去と未来のちょうど境い目に差し掛かってる。ボーカロイドという世界から解き放たれたわけだけど、この先どうなるかわからない。期待と不安。そんなミク自身の声としても聴いてもらえたら嬉しいです。


あ、目には見えないよ。

最初に言った通り僕たちの次元では存在できない、XYZに単純化されたユークリッド空間、つまり3次元には存在しないから。

過去と未来、夢と現実。ミクの存在。

境い目なんて人が勝手に決めたただの枠組みで本当はそんなもん無いんだよね。自分の心次第。クラインの窓という曲名にはそんな想いを込めました。



乱文ごめん

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